買い出しと引きこもりの狭間で葛藤する男BOLDMANです。
金峯山寺に行ってきた。 きんぽうざんじ、ではなく「きんぷせんじ」と読む。
金峯山寺は、奈良の近鉄吉野線の終点からケーブルカーで吉野山を登ったところにある平城京以前に開かれた古い寺だ。 桜の季節が終わって観光客もひと段落という頃合い。 現在ちょうど秘仏である三躯の蔵王権現像が御開帳されているのだ。 これはJR西日本の「うましうるわし奈良」キャンペーンポスターにもなっている。
寺の本堂の中央の台座には秘仏を閉ざすための巨大な厨子(いや、本当の意味での仏壇か?)がしつらえられ、身の丈5mはあろうかという蔵王権現像は右手右足を高く掲げた不動明王を思わせる姿をしている。 胴体と同じくらいの大きさの顔は憤怒の形相でもあり、口角が上がっているため高笑いをしているようにも見える。
現代に残された多くの仏像が退色しているのに対し、秘仏として戸の奥に閉ざされていたこの三体はコバルトブルーの肌色など良好な保存状態にある。
奥には近年作られたとおぼしき堂があり、人間サイズの釈迦如来、千手観音、弥勒菩薩の新作像がいる。
かつて多くの仏像がそうであったであろう金箔貼りで仕上げられているが、造形は充分にモダナイズされたものだ。 均整が取れたプロポーションで顔立ちはV系ロックミュージシャンを思わせる。
本尊に代わってこちらが普段から開帳されているのだろう。 蔵王権現はこれらの仏が現世に現れる時の仮の姿という設定なので、金箔がハヤタ隊員で青くてでかいのがウルトラマンってことか? (違います)
いずれにせよ秘仏であったことの価値を充分に楽しめる仏像だった。
本堂の造りも見所の一つで様々な樹種で皮を剥いだそのままの造作の丸太柱が、木のうねりを残したまま建てられている。
蔵王権現の右手右足を上げたポーズは「ナンバ歩き」と言われる日本古来の体の使い方(歩くときに右手右足が同時に出る)が現れたものだろうか。 この動作は現代でも相撲や剣道の体捌きに残っている。